ディファイアンス プレミアム・エディション [DVD]

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遥かなる帰郷の主演はリーランド・オーサーだと10年近く勘違いしていた。ショックだ。リーランド・オーサーが超いい役者だと人に説明するとき必ず遥かなる帰郷も引き合いに出していたのに。大ショックだ。うあああ。というのはまあいいとして。
ダニエル・クレイグが好きでリーヴ・シュライバーも好きですが三男アザゼルもいいなあ上手いなあと思って見終わって調べたらこれイギリスの塹壕幽霊映画の人か。なるほど。で、ジェイミー・ベルの結婚式場面は正直こんな、映画で現実でもこんな綺麗な結婚式場面見たことないっていうとてつもなく綺麗な結婚式でした。あれはすげえ。で、エドワード・ズウィックも好きです。まるで職人のような監督という職人監督まんまですがイメージとしてはミケランジェロにダヴィンチ、工房のトップ、お抱え芸術家、そんなイメージの職人監督最初に耳にしたのはジョエル・シュマッカーが最初であとはもう色々。エドワードも今日俺の中で仲間入り。彼が撮ったなら安心。職人入り。ブラッド・ダイヤモンドの次にこれかいな。ザ・職人。腕のいい大工みたいな。が、なんとなく借りて見たけどこれ実話を元にしてんかい。びっくりだ。
好きなユダヤ人映画とかボスニアヘルツェゴビナ映画好きな北アイルランドとかまあ。要するにこれは本当にあったことですよ。想像で作りましたがあってもおかしくないことですよ。うあー実話、あるいはうわーありそう。みたいな映画。
まあ小さい頃に地元の会館、県民会館でやった展覧会。ナチスはこんな酷いことしましたユダヤ人はこんな酷いことされましたっていうものを見に行って今それかと思うということはそうなのか。や。石鹸とか。なんで石鹸になって半世紀後に地球の反対側でケースに入れられて展覧されてんのよって、生まれたら親がユダヤ人だったからっていうどうしようもない理由でガキの俺に空輸されて展覧されるという。石鹸だーという。へえこれ人の脂肪でできてるんだふーん。なんだそれは。
人は人だからって理由で人を石鹸にしちゃいけねえよな、と思った。そう。この映画のいいところで好きなところは人間としてそれはどうなのよっていう感じで行動とセリフが頻出するところ。話を持っていくところ。だから売れなかったんじゃなかろうか。最初にそう思ったのはダニエル・クレイグが最初に人を殺すとこ。まあ親の仇を討つわけですが、あれは全然ユダヤ人関係ない。ユダヤ人ドイツ人人種どうこうではなく、人としてどう思うよっていう。親を殺されたらどう思うっていう。後のほうの集団リンチ場面でこれ効いてんなって思った。あとダニエル・クレイグと後に結婚したという女の人と狼の場面は笑った。あれは笑うところ。いや笑うところ。
欲望(何でも。生きたいとかでも。人間性を大切にしたいとかでも。レイプしたいとかでも)が強い奴が勝ったり生き残ったりするのがこの類の状況で映画ですが、じゃあなんで映画になんのって欲望じゃどうしようもない、欲望の強弱が関係ない何かが起きるから起きてしまうからですね。多分そうですね。んで、そこがいいなって思うので好きな映画です。好きですそういうの。やっと渡河したー→戦車の流れは口半開きですよ。あとマシンガンのトリガーに指引っ掛けたまま絶命して崩れ落ちる女の人最高。
なんつうの。正直全くユダヤ人に見えない3兄弟。ロシアの田舎の人に見える。いや間違ってない間違ってない。そう描かれてる。
選民を返上します。違う土地、違う民に恩寵を、という皮肉屋老教師の語り、全員口をそろえてアーメン、という場面にぐっと来た。いや選民を返上しますってね。あと何よりもぐっと来たのはエンドロールの記念写真。集合写真。実話パワー。
しかしダニエル・クレイグはまじでいい。役柄的に一線を超える直前に見せる表情がほんといい。激情に駆られる前に表情で語る男(を演じてる)ダニエル・クレイグ。ああもう駄目だ。やんなきゃ駄目なのか。そう語る。そういう表情。その後やんだけど。そんな表情がずっと頻出するこの映画、なのでダニエル・クレイグは心底辛そう。ていうか鬼。鬼の顔。泣かないけど。こえーのよ。三白眼こえーと初めて思う。説明なしだったけど結婚式で弟に自分の指輪渡してたよねー。あれはもう。