HOPESFALLについて

さっきitunesの中身を整理してて突然好きになったバンド。こういうことがあるからチェックだけ外して放置しとくもんですねー。しかし。1年か2年か、それくらいぶりに聞いたのですホープスフォール。なんで放置してたんだろうって理由は多分過去の俺はなんとなくハードコアと分類しちまってたせいだと思う。HOPESFALL。思うに、the frailty of wordsの段階で既にハードコアじゃない。ああこれはそっかハードコアじゃないんだと思った瞬間にいきなり好きになったというのもThe Satellite Years収録Escape Pod for Intangiblesを偶然再生して、思った。なんだこれすげえ聞いたことある。HOPESFALLじゃない。聞いたことある。聴いたことあって凄く好きだ。なんだっけ。ていうかめちゃめちゃかっこいいんだがHOPESFALLてこんなかっこよかったのか。で、wikiを見てみて疑問というか違和感は氷解して解消された。そうだ。HUMじゃん。その、マグネティックノース発表当時のギタリスト曰く。

"Our music has always been spacey and heavy, and we use those roots, combined with our love of grunge-era Smashing Pumpkins, Dinosaur Jr., HUM, and Pixies, we add some bigger, heavier riffs.
空間的でヘビー、ずっとそういう音楽を作ってきたけれどそれはいつだってルーツを意識してたからなんだ。大好きなグランジスマッシング・パンプキンズ、ダイナソーJr、ハム、ピクシーズ。俺たちはそこにちょっと大きくて、ちょっと重いリフを足したんだよ。

だからこういうアルバム(マグネティック・ノース)に行き着いたのは必然なんだよ、という流れですが、完璧に自らの音楽性を説明しきってる。この言葉を聞いたらもう彼らをハードコアに分類なんてできない。HOPESFALL、受容のされかたがとても不幸だったと思う。や、ざっと近作のレビューを探して読んでそう思う。ハナからハードコアを志向してないんだから、ハードコアじゃないって批判がいかに的外れか。the frailty of wordsのEndeavorって曲とかどうですよ。Lamentとかどうですよ。まじHUMとか直系でそっち。ていうかこのアルバム今ちゃんと聞いて思うにかなり最初期のDEFTONESっぽい。引き合いに出すならLike Linus、あるいはGet Up KidsのFour Minute Mile。つまりほんと、"we add some bigger, heavier riffs"。そして勿論DEFTONESよりもずっとずっとHUM。
ほんと不幸だと思う。グランジ、あるいはエモなんて言葉も無かった時代に今エモの端緒と呼ばれる人たちがやってた音楽に重さとでかさ(手数と展開と速度も)足してる。どこがハードコアなのかさっぱり分からない。一度でも本人たちがそう言ったのか。彼らはハードコアじゃない。HUMにFAR、DEFTONES、括るなら完全にそちら側。最初からそちら側。音を聞く限りもうはっきり、そう。この人たちの不幸って何かって、クロスオーバーってジャンルがかつてあって、ジャンル分類できない音楽を便宜上そう呼んだ短い時期、やりたい音楽をやってただけの人たちがミクスチャーとか言われてしまう前後、ハードコアと言われてしまったこと。おそらくはただ叫んでただけで。で、その後何年も何年も、何作ってもハードコアとしてどうこう言われる、そういう色眼鏡で見られる。
で、長々と書いて何を言いたいかって、これからHOPESFALLを聞く人がもしもいればハードコアって思わないで聞いてほしいなって思ったわけ。今で言う所のデフトーンズ、スライスみたいな流れを選んだバンドだって思えば、俺はそう思うけど、その結晶としてのMagnetic Northはなんつーかっこいいアルバムなんだって。必然としてこんなかっこよくなった人たちがもういないなんて、俺はとても悲しい、そういうこと。

No Wings to Speak of

No Wings to Speak of


Magnetic North

Magnetic North


並べてみましたが、連続して聞いてもそこに断絶は全く無いですよ。完璧に地続き。両方とも超かっこいいアルバム。両方とも大好きー。
しかし一言でああハードコアってバンドなんでしょね。NYHC、オールドスクールにニュースクールにメタリックハードコア(メタルコアじゃねえっす)と呼ばれた呼ばれる人たちは文句なくハードコアだと思うけど。とっかかりとして、あるいはitunesのラベル仕分けにおいてのみジャンルって有効だけど、それ以外は難しい。有害って言っちゃえば言いすぎ、でも良くない面のほうが多いと思うなあ。なんでもかんでもエモってつけんのどうなのよって以前思ったことがありますが、なんてか、今ならmyspaceの本人らの自らつけたラベル、そこに則るのが最も間違ってないのかな。あるいは自分で。で、Hardcoreって書いてあったらどうしよう(どうもこうもない。俺はもうHardcoreに分類しない)と唐突に不安になってHopesfallのマイスペ覗いてみたらRock,Grungeって自称してるし。それ見てなんか悲しくなりました。自称しても駄目か。あと例えばマグネティック・ノースのThe Canonね。Andromedaね。どんだけだよ。この曲ドHUMですよ。俺はあんたらをitunesで流石にグランジにはしないけど(個人的に、時代的に。エラ的に。era)、Hardcoreにもしない。何にしよっかな。
ていうか、ああ、このアルバム聞いてHOPESFALLじゃないって人は一体なんなんだ。HOPESFALLじゃないか。1stほど叫んでない、速くない、俺は1stみたいに叫んでて速いほうが好きだってのは分かる。だから俺の好きなHOPESFALLじゃないってのも分かる。でもHOPESFALLじゃないってのは分からない。凄く1stからずっと続くHOPESFALLだよ。ねえ。1stをハードコアバンドじゃないと思ってもう一回最初から聞いてくれ。多分ハードコアバンドとして好きになるよりもっともっと好きになると俺は思うよ。