接吻 デラックス版 [DVD]

接吻 デラックス版 [DVD]


見たの随分前だから思い出せるのは良かったと思った場面のみ、という点でしばらくしてから感想書くのありかもだ。だいたい見終わった直後はたいした感想が浮かばないことが多い。こないだ見たセントアンナの奇跡だって、直後思った真っ先に考えたことは「セントアンナって何?」「奇跡って何?」だったのだからどうしようもない。奇跡はともかくとしてセントアンナはいかんともしがたい。ああ・・・・・・、とか調べて知って沈黙した。それはいいとして接吻。トヨエツですね。かつて見たことがあるトヨエツの中でも最高に魅力的なトヨエツが出ます、具体的には笑み。テレビカメラに囲まれたとこだっけ?あんときのトヨエツの笑顔、まじ最高。こんないい笑顔できたのかトヨエツ。すげえぞトヨエツ。あと堤防でっつーか河原で川沿いの公園で、足下に転がってきたサッカーボールを追ってきた少年が屈んで、鈍器振り上げるところのトヨエツ。あれもえれー良かった。まあ具体的には小池栄子に遭遇するまでのトヨエツですね。小池栄子前、小池栄子後、とこの映画のトヨエツ、演技の感じがぐるっと変化するので注意が必要です。具体的に言うといつものトヨエツになります。具体的に書くとつまんなくなります。役柄とか脚本とかあんまり関係ないと思う。小池栄子のせいだと思う。うおおトヨエツ新境地すげえすげえと興奮して見てたのにしょんぼりであります。あんまりこういう捉え方したくないが、この映画どんな映画、と言うとして、2人の男が小池栄子に金玉抜かれる映画、と言える。最近映画で見た最も悲しい場面、つか男性はまたもセントアンナですが生き残った4人のバッファローソルジャーの一番階級高い彼、ですが、この接吻のトオルのラスト「僕が弁護を引き受ける!」もちょっとたいがいよ。骨から内臓からそういうの全部精神的に定期的に断続的に小池栄子に陵辱される内面常に小池栄子と寝た直後状態(内面ですよ内面)頭が上がらない年上の魅力的で肉感的な美人で童貞捨てちゃった頭でっかちの旧帝大生言語派、肉欲に溺れながらも自己嫌悪に引き裂かれる(しかし全部想像上)みたいな演技をトオルがトオルである所以、トオル顔でやり遂げるトオルはまじ素晴らしいの一言であります。トオルが好きだ、と確信した映画でもあります。トオルと小池栄子が約束なしで会う場面(主に小池栄子によって!)全部好きです。弁護士事務所の階段の場面好きです。トヨエツのお兄さんに会いに行った帰り、田んぼの畔道で会話する場面好きです。自分でばらしといて(だっけ?)颯爽と車で小池栄子を助けに行くトオルが大好きです。なので、僕が弁護(略)はだから、好きっつーか、泣ける。この映画はトオル映画では無いが、仮にトオル映画だと思って見たとして全ては僕が弁護で炸裂することになる感情の高まりを素直ーに描いているとも言える。その意味ではトオル映画だが。でも違う。じゃあ何映画かって、それはやっぱ、小池栄子映画なのだ。いつからだかは忘れた。でもいつのころからか、小池栄子に外れ無し、と思うようになった。まじだ。小池栄子出てるね、小池栄子出てたね、で終わったことがない。あの小池栄子は凄かった、と語りたくなる場面が小池栄子が出てる映画にドラマ、絶対にあるんだぜ。凄え。凄いことですよ。この接吻、トヨエツ、小池栄子以前があまりにも素晴らしかったが故に後半いつものトヨエツなトヨエツは駄目駄目だと思う。投げんなや。小池栄子以前のテンションを持続したらもしかしたら張り合えたかもしれないのに。そして、小池栄子と出会って尚葛藤しながら負けまいと頑張る(トヨエツの何倍も酷い負け方するけど。いや頑張ったからこそ)トオル素敵。素敵トオル。なんだ、この映画。接吻。マジで頑張らないと同じフレームに写ったときに完璧に敗北する、というのがあからさまに示される映画だと思う。トヨエツは負けを悟って逃げの演技(要するに最低限の水準、人が想像するいつものトヨエツ)に行った。トオルはトオルだった。いつものトオルだったけど、その強度がいかに強固か鉄壁かということを示した。負けたけど。現状で小池栄子に敵う男優ちょっと思いつきません。人間失格って映画はちょっとと思うがレンタル始まったら間違いなく借りるが(それは生田斗真で伊勢谷友介で、そしてまず間違いなく彼らを喰うであろう小池栄子に)、だ。が、なんだ。小池栄子に間違いは無い。それは確か。我如何にして小池栄子に立ち向かい敗北せん。そうなる。小池栄子と競演するって時点で覚悟したほうがいい。まず負けるから。役柄とかじゃねえよ。役者として。勝った人見たことない。凄いよ小池栄子。世界に進出しても勝っちまうんじゃないかと思う。全然おっぱいを強調しないこの映画でこれですよ。強調する映画でこの映画ばりに出番多かったらどうなんのと思う。ペネロペ・クルスとかと死闘を繰り広げるのではないのか。いや、まじ。同し性別で、同じような年齢で同じようなおっぱいで演技パワーで、と考えてペネロペくらいしか浮かばん。すげえぜ栄子ちゃん。なぜもっと映画出ない。それは、共演者や制作者が怖がってるからだと俺は思う。敵わないから。まず間違いなく負けるから。負けた、と思ってしまうから。存在感とかおっぱいとか、なんだ、ある、と言われるじゃん。この場面はその人の為にある。この映画はその人の為にある。そういうの。小池栄子って、なんかそんな女優。いるだけで、やるだけで、全部小池栄子に奉仕するようになってしまう。いやペネロペはさ、出てる映画とか競演する俳優とかがペネロペばりにひとかどでは無い人が奮ってるからまだいい。でも日本、小池栄子、彼女だけ突出してその意味で世界基準なのでどうしたってずば抜けてしまう不幸。主役になんてとてもじゃないが据えられない。小池栄子を主役にした瞬間に他の全てが消え去ってしまう。そんなこととてもできない。と考えると、小池さんは、栄子ちゃんは、不幸ではないか。キャリアで最高と言えるほどのすっげえいい演技したのにトヨエツもトオルも負けた。じゃあ誰が並び立てんのか。いねえよ。という非常に不幸な状況。誰か早くなんとかしてくれ。したほうがいいと思う。だって俺はもっともっと小池栄子、彼女の演技を見たい。ほぼ本邦最強だと思う彼女の演技見たい。んで、最後に書くのもなんですが自分で自分のしばらくしてから考えた感想要約。セントアンナの奇跡って、あれ実写版千と千尋の神隠しだと思う。やっぱり。いやそうだと思うよ。そうだって。