クラスで一番可愛いな可愛いなって思う大木さん(喋ったことない)が大木さんたちが掃除中に他に何が好き何が好きー?と盛り上がってるのを陰からこっそりと聞いていていやたまたまだったけど階段降りて曲がろうとしたらメタリカ、新しいの好き、とか言ってたのが聞こえたんで一歩立ち止まって誰言った今の今の声大木さんちゃうかと前に進み確かめたら大木さんが「いいよねいちばん新しいの」と言う場に遭遇したので、文化祭でバンドやるからベースやってー、とその後頼まれて一も二も無くいいよやるやると言う。でも条件をつけてメタリカじゃなきゃやんないよ。メタリカやろう。メタリカー?古くね?とか言う三上君の脳天をがしっと掴んで机に叩きつけてそのままに脇でびびってるクラスメート誰でもいいんだけどたまたま隣にいた浩二君にお願いする。俺の携帯ポケットにぶっさしてあるイヤホンをこいつの耳につっこめ俺は今こいつを押さえつけるので忙しいからだから早くやれ動くんじゃねえ三上こらあ!大木さん見てくれ俺のこの勇姿、とか思って伺うがいない。なぜ。まあいいやこれお前が歌いながら弾くんだよろしくねー、と三上君にイヤホン差してオール・ナイトメア・ロングを爆音で。漏れ聞こえる音を聴きつつも、改めてベース。イントロどこ弾いてんの、と若干不安に。とてもベースっぽいイントロあれギターだよねえ。低く低く下のほうで流れてんのベースだけど、ひっくー。と、思ってたらぽんと肩を叩かれた。振り向いたらクラスで一番の眼鏡っ娘(うおお可愛い。近い)がsonyのMDR-XB40EXをそっと俺のほうに。「これ、ほんと馬鹿みたいに低音聞こえるよ。爆発するよ低音」そう言って、俺の手にそれを渡して握らせて、じゃ、とか言って鞄を持って去って行った。いい感じだ。とてもいい感じだ。これはまさに私がメタリカ好きなのはお兄ちゃんが好きだから、と言うべきじゃないか大木さん、とこの場にいない大木さんに対して思う。どこ行った大木さん。そうでもしないと敵わない気にはなっていたが貴女以上に接点が無かった眼鏡っ子佐伯さんがいきなり気になってしょうがないいいのか貴女それでいいのか二人ともどうした。俺は、迷った。迷ってる。と思ったら迷ったら顎に衝撃を感じて背後の黒板に叩きつけられて落下して、何、とようやく前を見たら三上君がジェイムズっぽく机の上で仁王立ちでエアギターを。ワントゥー、とか渋く。目が合ったので何?と目で質問、エアギター真っ最中の三上君はぐっと頷く。ありがとう。でもその指ギターカートんとこだよなあ。三上君それ違うけど、気持ちは分かる。うへー、と思って顎いってえなあ、と、ふと左の方で動きを感じで見てみたら開いた扉の向こう、廊下で



マイ・アポカリプスやるのー?
やるやる!最前列で見て!
ほんとー?!嬉しい!2分55秒から始まるリフまじかっこいいよね!
いいよね!いいよね!

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