卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1838)

卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1838)


今年読んだ小説の中で最大最強に面白かった小説。かなり久しぶりなことだが途中で一旦手を止めて指をページに挟んで本を閉じどれくらい読んだのか確認した。いやコップの水形式で。ベニオフさんすんげえ。あー。読む前に仕入れた事前情報のどっこにもそんなこと一言も書いてなくてだから知らないで読んでて面白え面白え何これまじで面白えと読んでて途中でまた途中でこれってあれもしかしてそうなの?と思うというかじわじわと悟るわけ。多分ページを指に挟んだ辺りで。俺はそんなことまるで期待せずに読み始めてそれはそれでずば抜けて面白くて大満足なんだがふと指で止めたのは、あれって思ったのは、この小説もしかしてひょっとしてあれなのかそうなのか鬼のボーイ・ミーツ・ガールものなのではないかという疑問。だから確認した。ただでさえ面白いのに俺のその大好き要素が炸裂するって予想されるそんなクソ面白い小説あと半分で終わんのかよこっからどんだけ駆け上がるんだよもうこんな読んじゃったのかよでも続き超読みてえって。あのですね。これはこの小説は、ボーイミーツガールしかも戦時下という俺が発狂して喜ぶ要素を大炸裂させますしますなぜ誰も言わなかった。友情だとか成長物語不条理戦争シニカルコミカル悲惨日常非日常出会いと別れバディものに収容所に文化系に頭脳戦拷問そういうんの完璧に仕立てあげてそれだけでもまじ面白いのにそこに加えて怒涛のごとくボーイ・ミーツ・ガール。もうびっくりした。したよ俺。なんちゅう大好きな本かと。これだけの本滅多に無いぜ。すげえ贅沢。読んでこう、あああああああ良かったーって上気して熱帯びた頭振るようなのってあるじゃんたまに。これそれ。とんでもなく面白かった読んで良かった読み返すのが今からまじで楽しみでならない。あとねえ、ボーイミーイガールがまじで好きって人ならこれ読んで泣くと思う会いに行くの件で俺は泣いた。そしてロミオの青い空が好きって人ならこれ読んで泣くと思う俺は泣いた。ベニオフさんすげえよ。ほんとすげえ。どんだけだよ。