Last Kiss

LAST KISS (電撃文庫)

LAST KISS (電撃文庫)


メモ
以前「泣けるラノベ」というのを探していたときにかなりの上位に名前が挙がっていたこの作品を探し求め購入、そして読んだのでした。
お話
お兄ちゃんが妹を迎えに行くために自転車を漕ぎます。なにか難病持ちの妹の体調が好転したので迎えに行きます。数年振りに退院してもいいという話。夏休みです。病院は山の上にあります。難病持ちの妹をいくら好転したからってチャリで2ケツとはいきなりアグレッシブです父母は法事か何かで留守です夏休みです兄貴高校生妹中学生です。妹無口です。兄貴は妹のこと性格や病気含めほとんど何も知りません。あるいは覚えてません。これはある。兄弟でも同じ屋根の下に暮らしてても情報を遮断すること、耳にしても忘れることはできます(実体験)。これは別に兄弟に限らないですけど。
感想
上は冒頭。結論だけ言うと泣いた泣いた。めろめろに泣きました。ウィキペディアの著者項によればかなり頭使って、というか構造から捻るのが好みの人らしくそれはまず登場人物の異様な少なさから感じました。次は構成、地の文全部が兄貴の心情吐露もしくは兄貴目線の状況説明です。よくよく考えると凄いかもしれない。兄貴が見たこと思ったことだけが物語を引っ張るわけ。しかも文字情報のみ。力技です。そして上記自転車冒頭よりも先にあるインターリュード、とある手紙、またはカバー裏の内容紹介などからこの妹が死亡することはさくっと判明するのですが章立てが時系列+兄貴の感想。「第○章 ○月○日。妹が血を吐いた」、みたいな。これは力強い。そしてあくどい。で感想。巻末の作者後書が超いい。作者スラッシャーです。この作品、病弱な可愛らしい無口な妹というターム大好きな作者の友人との遣り取りから生まれたらしく上記兄貴はその友人をほぼ完全モデルにして描き、なおかつ本書を執筆したその動機は「そんなに病弱が好きなら、殺してやる!」だと言うのだから泣きはらした目で瞠目。補足としてはその友人のリクエストにいかに則り、なおかついかに彼の期待を外すかが物語の骨子だったというのだからふええとなります。なりました。
その他
なんか怖いのでアマゾン含め他人の感想見てませんまだ。
おまけ 俺が涙を流したライトノベル

追記
一人称形式を手紙っていうアイテムが撹拌します。上記俺が泣いた作品群においてこのLast Kissと同一のもの、泣いた理由、レギオン?自分でも驚きましたが言うなればレギオンかなあて感じで全然重ならない。そのレギオンと共通の何かを言葉にするなら、認識の違いが泣かせたのか。これは映画ですが最近おにいちゃんのハナビという病弱な可愛い妹冒頭は退院いう映画見てボロボロと泣きましたが泣いた理由は違う。この作品では妹側で泣いた。あっちだと兄側で泣いた。そんで理由は認識の違いでは無いです。
追記2
健康な妹が死んで読者観客泣く何か創作物なかろうか。泣くとしたらどんな場合なのか。兄貴は泣いても泣かなくてもいい。できれば泣いてほしいけどってこれはまさに個人的に。どうしたら泣けるだろうって。仲はいいと思うんだけれど。