麦の穂をゆらす風


うっつうつとした話。なんて鬱。超鬱。武装ゲリラ市民軍なんでもいいけどイギリス軍やっつけてやっほーいみたいな映画かと思って借りたのに詐欺じゃないかー。幼馴染なのかヒロインなのかなんなのかなんなんだよもうオーラ・フィッツジェラルドさんのこうなんつうかあまりにもアイリュッシュな薄幸不幸顔をこう、堪能ていうかそんなつもりもなかったのにお腹一杯に堪能。なんだ。エミリー・ワトソンとかサマンサ・モートンがしょぼんみたいな顔あの顔あの表情ですがそこは知らなかったんだけどそもそも最初の駐留イギリス軍の中にもアイルランド出身の人いたのねー……、そりゃあいたさねえ……。なんか、なんかねえ。ひっでえ話っす。北アイルランドもので俺が1番好きな映画は『ナッシング・パーソナル』って映画なんだけど、なんか、あー。そうだよねーこうなるしかないよねーっていう予定調和をダウンワードでスパイラルにズブズブ貫徹っていう不幸映画ですよですがこれこれから見る人は頑張って見ましょう。これがまあまるですかっとしません。独立運動とか内戦ってほんっとすかっとしねー。言語だったり領土境界だったり宗教だったり、しますが、なんて独立のままならない世の中。なんて侵略のままならぬ世の中。家を焼かれても髪切られるだけのオーラ・フィッツジェラルドさんっつうしょぼんな世の中。何だそりゃ。そういうファンタジーはどうなのか一体。この人近所の人だしなーっていう何かが働いたのかあれ。そうかもしれねえ。最終盤のキリアン・マーフィー逮捕場面が脱力すぎてもうそりゃ、そうだけど、って。牧歌的ていうのかあれは。これは。伝説とか神話って言ってもいいけど。ふげえってほげえって感じで全部。あとこうアイルランドってとにかく伝承口伝に吟遊詩人に詩人に戯曲に歌に歌に歌ってまあ語って喋って口に出してなんぼの国とはよく耳にする所ですがキリアン・マーフィーと仲良しのリーアム・カニンガムが牢屋かどこかで何年か前の名演説(1916年、ジェームズ・コノリー)について話すとこがあるんだけど、キリアンが暗誦始めたら当然のようにそこにリーアムも乗っかる輪唱終えて2人にっこり、みたいなとこがあってなんかそこでそれ感じたっす。はい。いやいいシーンだなあてそこ。しっかしほんと知り合いが知り合いが知り合いがズンドコっていう。鬱ですよ。匿ってあげたのにごはん作ってあげたのにとかせめてお母さんにお墓の場所を教えてねとか鬱ですよきよしまじで鬱ですよあと牧歌的ってイギリス軍田舎道で急襲してやっつけて道の真ん中でせいれーつ!訓示!とか牢屋脱走して逃走手段は荷馬車!ロバ!田舎道また田舎道!とかきよし困りますよコメント困りましたよ。浮かばないですよ。「人口密度……、いや、なんでもないです」とか「カンヌで、賞……10分を越える喝采、とまらない涙」「え?」言いかねないですよ言っちゃいましたよ多分それ違う映画のことだと思いますきよし思います。はい。