『ドレッド 恐怖』

クウェイドがひたすら可哀想な映画。彼は病気だけど絶対にキチガイではない。あとサディストでもない。クウェイドは病気を自覚していて治したいと思っていて治そうとする。それまでもずっと一人で対処してきたけど今回は違う方法でやろうと思い、その方法には人手が必要なので友達を作るところから始める。友達の助けを借りて試みる。それで、友達っていいなと思う。クウェィドが病気を自覚してるってのがまずもって可哀想。幻覚を見ても病気ゆえの幻覚だと認識できるのがクウェイド。クウェイド明晰です。人の痛みが理解できないとかそういう人でも無いです。優しくされたら嬉しいので方法はどうあれ人にも優しくしようとかできる人です。次に友達作りから始めたのがまた可哀想。それまで一人も友達いなかったんだろうクウェイドは誰かと仲良くなるのが超下手糞ですが、できた友達が大事だというのはモロです。伝わってきますしちゃんと相手にも伝わります。あとのほうでほんとに君が必要なんだ、助けてくれ、助けてくれ、と吐露する悲しいシーンがあるんですが、残念なことにそこが駄目でもう駄目。あれは駄目。でもなー。友達ってのはスティーブンというのですが彼がなんとなくやった決定的なことっつーのがあって、悪夢にうなされてるクウェイドを大丈夫かって起こしてあげる、真実救うっつーシーン。スティーブンいいやつ。こいつ優しいんですね。この優しさがクウェイドにも影響を与える。スティーブンにもそうだし、この映画で最強に痛々しいシーンを演じる痣のある女の子に対してクウェイドが見せた優しさもあれ本物だと思いましたよ俺。クウェイドにとっちゃ大事な友達を奪う人であるシェリルがあんなことしなきゃーなと思いました。痣のある子、アビーですがクウェイドのおかげで、なんつったらいいか、それが治療じゃないのかって。まあシェリルさん、まあ引き金弾くんですがクウェイドのなあ、こいつ変だって思ったろ、頭おかしいって思ったろ、という大変な悲しみ演技を引き出したので良し。お前酷い目に遭って良しって感じだったあれは。なんだっけなー。人間関係で病気を治すというか人間関係が病気の予防みたいなの前にどっかで読んだんす。映画後半悲しいことになる前にスティーブンがクウェイドにしたこと、クウェイドがアビーにしたことってまさにそんな感じだよなあって思いました。なんで上手く行かなかったんだろこれ。絵が印象深いんですけど、クウェイドのライフワークというか病気と付き合ってくために絵にしてた逆のことしてあげたらアビーの病気、病気っていうかなんだ、良くなる、ってのがなー。辛いよなー。あとなんだ、クウェイドとスティーブンで家のテラスでビール飲んで笑いあう、ってシーンがあるんですけどあれいいシーンですよ。優しいシーンです。酷いシーンも多々ありますが、もしかしたら優しいシーンのほうがこの映画多いかもしんない、て思いました。それも打算抜きの優しさ。とてもっつーか大好きな映画です。きっと好きな映画だろうと思って見ましたがほんと好きでしたこれ。はい。

クライヴ・バーカー ドレッド[恐怖] [DVD]

クライヴ・バーカー ドレッド[恐怖] [DVD]