樹上のゆりかご (C・NOVELSファンタジア)

樹上のゆりかご (C・NOVELSファンタジア)

I don't wanna fade out I don't wanna fade in Like everybody should I don't wanna fade out I don't wanna fade in Like everything before

100点満点なら2000点。まとまらないので酒の勢いで羅列主人公は最後敗北、取り込まれるように思ってまたも複雑な気分に襲われたけれども違うんじゃないかとすぐにというのも今度俺にも古典教えてよというあれは彼の目を通してなんというかそっちの世界を知っていくような気がする、というのと対になっているような気がしたからで、相手の考えを自らの内に取り込む=全面的にそこに関しては相手に委ねる、みたいなことを思い、中間者というか媒介と言うか介在者を嫌々ながらも自任していた主人公が初めて誰かの側に立つというか選び取ったというか、その相手が曲者であり彼は全編を覆う構造の中にいながらも外にも内にもいない人でというのも誰も彼もが構造を感じているか自明のものとして受容している中そもそもそんな(片方だけだけど)構造なんか無いとはっきり断言する唯一の人物(なので物語を推進する事件にはほとんどまるで関わりを持たない)というのも事件と構造はほとんど一体化しているからでそんなん無いという彼はだからそこには関われないし関わるつもりもなさそう(だがそこにいる、というそれだけで誰かに何かを思わせてしまうというのは仕方が無い。人間だし。登場人物だし。いるし)。

良かれ悪しかれ意識した瞬間にその一部になってしまうというタチの悪いその構造は切っても切れないAとBという二種類が二重にこの物語を覆っているけれども事件という物語に関われない代わりに特別な視点を持ったその彼の視点を事後に選び取るということはつまり、だから敗北したって訳では無く、抑圧する側でもされる側でもない視座、位置に自らを置ける、という。構造の中で構造を打ち破ろうとする人物は確かに片一方の構造を破壊する事にはその人物的に成功したかもしれないけれどももう片方の構造の完成というか成就が行動原理なのでなんていうかどうなんだ、駄目だったのか。いや、分かった上でやってたような気もする。しかし君はここには(この構造の中には)いないとその人は言われるものの、そう言う人物がもう片方の構造にいや構造をまるで疑おうともしないのでいないわけではない。ところで、上の彼が簡単に言うけれど構造なんて無いと彼が信じ言う理由、ここは嘘をつかなくていい所だから(という視点)、というのに則れば、嘘をつかざるを得ないというか嘘をつくちょっと上の人物はもうその時点で構造に取り込まれてしまっている、と言える。そう言えば主人公は一度も嘘はつかなかったように思う。

対象をどう見るか、というのがその対象とどう関わるのか、抑圧側に回るか、される方に回るか。

では最初から意識しなければいいではないか、気が付かなければどちらとも、というのは違うはずで、上に書いた二つの構造、意識するもなにも果たしてそれの何が疑問なのかという(ふうに気が付かない人は思うだろう)ものなのでもう最初っから気が付いてしまった人にとっては抑圧側に置かれる。

読み終わってなんだか異常に複雑な気分に襲われたのは

ああフレンチないしラディカルなあっちの視点でもってこの作品を分析したい語りたいしかし悲しいことに俺はまるでそっち方面の勉強をしたことが綺麗さっぱりまるで無い(上にそもそもそっちではない)から俄仕込みのそっちの言葉はあえて使いたくないというか使えないし使わずに歯痒くも使えずに。年月/歴史に比例する反復(することによる獲得確定、上書き)とか。

あと視点。

何かの視点を手に入れる、その立場に身を置いたから。

誰かの影響を受ける。その誰かの考えに染まる。

最強に仮に、すんません仮に、俺が誰かにその誰かが持っていない視点、ないし考えや影響を与えているかもしれないと悲鳴を上げて勘弁してくれ(俺には何も無い)(俺にとってそれはなんの)と思いながらも無理矢理に仮定して、果たしてそのそれはいや果たしてもなにも誰かと関わるってことは関わるっているってそれだけでつまりそのー

あー

うああ

ポジション、役割、見事に三様の役割をこなす三人の女性が出てくるのでとてもありがたかった、というか頭を整理する一助に。

サロメ。

まあサロメ。

視点は視座を超えるのか。視点を意識した瞬間に視座に取り込まれるのではなく、その視座を見るAでもBでも無い別種の視点を手に入れることはできるのか。ということを今度俺にも古典教えてくれよ、という一文を読んで考えて、ああ主人公古典が得意というかなぜか(本人にも最後まで不明)古典で割といい点数を取る。ウニベルシタスとか白水社とか文庫出してよって感じ。500…いや700円くらいで。uブックスってあれはまた別だしなあ。

しっかしいやほんとにリピートにリピートして*1書きまして、と書くまじでに意味は無いですが偶然。俺はどっちかっつーとパロアルトよりディン・ペダルズのほうが好きです。Waterfallは色褪せぬ名曲です。そのうち勉強して続き書きたいからという決意は、はい。勉強したそれを持って書くとこの本はそういう物語としか読めなくなるっつー危険性はありますが、そんなん抜きにこの小説目茶目茶面白いですが、というか読むもの全部その眼でしか見れない、みたいな、しかし、俺はその際勉強したなんちゃって知識を十全に発揮し心から適当に書くつもりなので多分大丈夫だろうとは思うけど。

いや。

考えれば考えるほど物凄く厳密にバトラーだのシクスーだののそっちのあれでかっちりと考えて書かれた小説なような気がするこれは、俺にとって参考書、いやほとんどもう入門書。今超勉強したいし。多分書くの初めてだと思うけどすげえ感想聞いてみたい。特に女性の、と思って、引用した歌詞の中でもこの小説の文脈で特に意味を持つとしたら多分それはbefore、と勝手に。思った、思って。今だけ。焼酎で。

*1:Paloalto - "[http://www.fr.garagetv.be/chaines-videos/popmuziek/Paloalto___Fade_Out_In.aspx:title=Fade Out/In]"