ワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島

怖い映画だってのは事前情報として仕入れていたからそういうもんだって思って見始めたけれどやはりレスラーと連続して見るもんじゃなかった。全部見てからどこが一番怖かったと一緒に見てた人(見ててしばらくしていきなりパイレーツ・オブ・カリビアンじゃんと喝破した。瞬間的に考えてそうだなと思う。すげえ。)に聞いてみたところルフィの首が伸びるところ、と言う。ろくろっ首で傷まみれで。笑いながら言ったけどあれは奴の必殺技なんだよ、しかし、すぐに納得した。主人公の必殺技なのに全然気持ちよく描かれてないんだあれ。首伸ばしてるのはただ単にルフィの苦しみを倍増させそれをこっちに伝える為、あれはそんな効果しか狙ってないと思う。つまり笑えない。カタルシス無い。つまりただ単に怖い。首が伸びるってことは怖いことだ、と、だって必殺技というか見せ場使って効果無しというかむしろ絶望を増幅させる効果しかないその前後がやっぱりこええからそれのみ強調されてしまう。首が伸びるなんてまあいいけどそうかそういうもんなのかでもその伸びた首から血が出るのを見せられてぞっとする。そういう。まあ俺はレスラーを引き摺っていたので、「一人になってしまう」というのがモロに辛かった。だから一番怖かったのはムッチーとか呼ばれてた金魚すくいの彼が復活して飛び跳ねて男爵男爵ーと元気一杯な場面でオマツリ男爵が数泊振り向かなかったあの場面は男爵が背中だけこっち向けてたあの場面、どんな表情してたんだろうとか思うと遣り切れないってかあそこ一番俺は悲しくて怖かった。怖いと思った。ちなみに一緒に見てたその人はパイレーツの何倍も怖かったと言った。そりゃそうだ。でも俺もそう思う。なんだろう。根本的に怖い話なんだよね。おそらく本当に怖いことなんだSFとかでよくあるけど知ってる人が誰もいなくなってしまうっていうのは。でも現実でも当然起こり得る(当たり前だ)ってみんな目を背けてるのにどかんと提示しちゃったのがレスラーでオマツリ男爵だ。だから怖い。俺はレスラーだって怖かった。薄ら寒かった。あれは、これも、そう。とても怖い映画だと思う。