チェイサー / ナ・ホンジン


超いいと思った場面。めちゃ力強いと思った場面。思い出した順。絵。
捜査会議中に上の階で鈍い音。見に行ったところ。なんか泣きそうになって俯いてる女刑事。部屋を覗いて顔を引っ込めて、後から来た刑事たちに向かってしーってするギル先輩の物凄い表情。次のカットで、やっぱりどがんどがんと凄い音がする部屋の外、廊下でじっと待ってる刑事たち。
ホテルから連絡があってホテルに行って階段昇って廊下見て、騒動の脇を通り過ぎて部屋の中をチラッと見て中で服着てる女の人と目が合ってすれ違って黙って客の髪掴んでドア閉めて座れ正座しろ場面。
内と外を隔てる何かがあって、その何か越しにやり取りする場面がこの映画基本全部いいなって思うのは中に内に入ってしまうともう内側の人になって血みどろどろどろどろ、鍵とかさ、ていうか、内側の人に付き合わざるを得なくなってしまうって感じ。車のドア、ガラス越しにああお母さんもうと悟り絶望する幼女に付き合わないといけなくなる。なんてことない雑貨屋みたいなとこに入るか入らないかで生死が決まってしまう。外にいりゃ良かったのに。でも、全編通して内か外か、内に入ったときに物語が動くこの映画で入らないってことは無い。雑貨屋の勝手口の奥、居住スペースまで入ってしまう。入ってしまって犯人に覗かれてしまう。犯人入ってきてしまう。
あれ、ちょっと分かりにくかったけど警察呼んだから奥で待ってなさい言って実際警察呼んで待ってるんだよな。
しかしながらやはりよう分からん理由で退場してしまう最初男かと思ったミジンの娘の映画が進むにつれて増していく幼女パワーは凄い。目はディスプレイに釘付け。つまりすんげえ可愛い。なんかもう全部丸っこい幼女がむすっとしてんですよこの映画ずっと!そら精神は雑巾ですよろしくなキム・ユンソクの行動する動機になってまうわ。完無私で走らせてまうわ。「だってミジンがいねえだろうが」と口では端的に言うキム・ユンソクですが最後あっからさまに脳裏によぎる映像化されてまうのはミジンの娘の顔。あの場面スローモーション化するのは、フラッシュバック使ってまうのはどうだろうか。ずっとそうだったようにキム・ユンソクの表情、肉体だけでじっくり全部表現すべきではなかっただろうか(偉そう)けどまあ視界の隅にセブン状態なら(セブンは見せなかったのに韓国!)そりゃ病室でグロッキー娘の顔だって浮かぶだろうとは思うというかなんというかああセブン凄かったね。凄いよねあの場面それを見せないでモーガン・フリーマンとミルズの顔だけでああああああという。
ところで長崎かってくらい坂道だらけの町でした。あれどこなんだろう。
しかし内と外。内に入りつつ犯人と2人きりで言葉責めとかいやああそこ良かったー上にも書いた犯人ぼこぼこ場面で中にいんのに最後まで何もできず立ち尽くすとことか、まあ女刑事さんですが彼女もまたさくっとこの映画とはなんぞやと体現してるように思う。内に入ったら地獄見るぜっていう。一生懸命やってるんだろうけどお前らなんなんじゃという韓国警察の地獄、おそらく真っ先に現場に入って背骨抜かれるような気持ち、あるいは描かれはしなかったがミジンの略見つけた、や、直前までミジン無事だったって知ってるの電話受けた主人公だけなのか。教えてやれ女刑事に。この時刻に生きてたんだって手前このとき何してたって。言わずとも。