インセプション

  • スーツ万歳映画

“idea”に関するあれこれいやこれ面白いなーと思って冒頭からガン見。初っ端プレゼンしてるディカプリオなんつってたっけ、見終わってなんかあれが肝だったような気がするけどちゃんと覚えてないのが悔しいあとで見返そう。あと牢獄とか金庫を設計すれば誘導しやすくなるとかなんとか、おっもしれーと。”試験する。2分やるから1分で解ける迷路描け”ってのもいいなーいいなーああいうのこういうの大好き。んで感動した遣り取り場面これ”皆こっちを見てる””キスしよう””……まだこっちを見てる””キスしたからだよ”はい最高大好きここ炸裂してたと思う俺の好きな何かっていうかこのアーサー、大好き映画ストップ・ロスでまじいい役いい演技してた彼ですね!あいつだろ!調べてあーやっぱり。しかしなぜか彼はジェームズ・マカヴォイと被るなんでだ確認すると似てねーのに不思議。そしてディカプリオやっぱいい。最近加速してるように思うが彼の出る映画に外れなし。アリアドネ可愛い。やたら可愛いのにしかしマリオン・コティヤールと並ぶとああ負けだこれ、という可愛さなのがまた可愛い。贅沢すぎるキャスティングの大勝利。どっちに抱きつきたいかっつったらマリオンですが、抱きしめたくなるのあとなでなでしなくなるのはアリアドネ。あー。割って入るのは無理だろう。そんで、いろいろ、色々良かったけれど何が一番良かったかと聞かれたら”スーツ、ネクタイ、ワイシャツ”にときめく尽きる。以下メモってか蛇足。

  • 夢を共有することでさらに曖昧になる自分オリジナル(idea)。

リンボに落ちる定義は多いってのも本人らもそういう状態になるだろう、あるだろうとして話しててそれだけ危ういことをしてる自分の定義を疑ったら負けだし攻殻じゃないが今の自分は誰かがイメージした自分じゃないかと思ったら負け。ディカプリオがあれだけ贖罪の念に捕われるのも当然、マリオンに超酷いことしてる。まじ可哀想なマリオンの気分で思い返すと、窓越しホテルもですが特に線路場面、あれ、辛い。

  • マリオンは金庫に入れたトーテムをなぜ回さなかったのか。

この映画を読み解く鍵はこれだろう。気の毒すぎる。リンボって多分トラップあんまり重要じゃねーと思うと端折るけれど、ディカプリオがマリオンにやったぎりぎりのインセプションは2段階あって1つ駒を回したこと。2つ、そのことでideaを見失ったマリオンにideaを上書きしたこと。2つ目のあれは言い換えると多分こう。”お前のideaはなんだ””2人でいること”このうち、1つ目しかやってない、そして成功したけど思わぬ悪影響が出たとディカプリオは思ってる。でも実のところ2つともにやってて2つとも成功してしまったことに気付いてないんじゃないか。あそこで子供を含めなかったから、マリオンは子供がいる世界をいつまで経っても現実とは思えない。そこにいる子供が自分の子供とは思えない。夢定義ナンバー・ワンはどうして、なぜここにいるってのが分からなければそれは夢。ああなんて気の毒。なのに夫なんていないという方向へは行けない。別れることは絶対にできない線路で自ら定義してしまったからで”最近暴力を振るう”とか、そうまでして文書化してまで夫がいる世界を肯定せざるを得ないマリオン。ideaをそうされてしまったからしてしまったから「いること」をそうまでして確定。
んー。
ideaを見失ったらリンボ(としか名付けられない状態、夢の最下層)を現実と思い込む。当然そこから浮上できない。この俺解釈でマリオンは一度だけリンボに落ちた。それはディカプリオがコマを回したとき。金庫にコマを入れたからってリンボ行きではない。あれは違う。コマは現実、静止した状態、(倒れる、倒れた)として金庫の中にあるけれど、そこにある。だからディカプリオは回した。これは現実じゃないという状態を留め置く為に。そしてディカプリオはコマを金庫の中に置きっぱなし。共有した夢の中に置きっぱなし。

迷路の設計者(出口を知る者)、出口そのもの、とか色々思うけど。アリアドネ「あれは何?」ディカプリオ「マリオンの実家(中でコマが回りつづける金庫のある場所)」ここ志村後ろ後ろ、みたいな感じ。もしも全部ディカプリオの夢解釈に従うなら、あのコマがまだ回ってるから、という材料を思いつきますはい。その登場からひたすらディカプリオを引っ張り上げようとしてた、ように思えるってのも練習場面でディカプリオの(マリオンが現実に似せて作り変えた)夢の中引っかきまわしてマリオン出てきてなぜかナイフキック。仮にだけど、もしもあれがリンボにいながらにして夢に潜ったその夢を現実に似せる、擬似リンボ化することでマリオン呼んだ合わせ鏡とかつまり糸を垂らしたんじゃないかえーと分からない分からないよミスターチャールズ。でもアリアドネアリアドネだこの映画中ずっと。

  • リンボ脱出

線路場面しつこく。マリオン視点だとあんときケンワタナベのごとく2人とも老人、でもコマ回されたから不安定。"2人でいること"というideaを獲得できた/インセプションされたから列車キックで浮上。でも以前の現実全部を肯定できるコマを置いてきたから不完全。描かれちゃいないけどケンワタナベも似ている。彼のトーテムは謎だけど、"若い"というインセプションの結果浮上。完全不完全かは不明。ただマリオンの場合と異なるのは、この「老いは非現実」というのを含めてる点。2人でいるのは納得でも若返ったのが変だとマリオンは思った。多分。まあコマ置いてきたディカプリオ悪い。悪いよー。しかし言葉がトーテム、ideaの代わりになんのかって疑問、そこはミスター・チャールズ方式でなんとかする。不備があるならミスター・チャールズだから。とする。