300<スリーハンドレッド>特別版(2枚組) [DVD]

300<スリーハンドレッド>特別版(2枚組) [DVD]


なんかもう一回見たくなって流し見たけど吹き替えで見る。いっやー。野太い。野太いよ声優陣。一幅の清涼剤が山の上の神殿にいるエロ神官のやや甲高い声以外全員見事なまでに声が太い太い。もうお腹一杯です男臭い声。相変わらず犀と象が哀れだ。「金が欲しい、女が欲しい、俺は全てが欲しい、でもそれよりも、俺は戦士の装束が欲しい!」と美女に囲まれながら泣きそうな顔で言うせむしの人の絶叫が俺は好きだ。スパルタ軍の勝利条件ってなんだろうとか思うもすぐにそんなものは無いと改めて思い、金髪ロンゲの人がイッちゃった笑顔で言う「やっと死んでもいい戦場を見つけた嬉しくてたまらんたまらん」と300人全員思ってるとこが凄いです。勝つ気ゼロだが死ぬ気満々。これは強い。この300人いれば硫黄島だって勝ってしまいそうだし、あの島がもっと持ちこたえられなかったのは300的にへなちょこ西郷(悪い意味じゃない)がいたからだ。自由の為にとか言ってるのが息子死んで悲しむとか取ってつけたように嘘くさく聞こえるのはその為だ。ペルシア軍の人が言うけれど「お前らを歴史上から消してやる。お前らの本を全部焼いてやる」ガンダムWでヒイロとトロワが地球で図書館で調べ物場面。教科書に書いてなければ、新聞に載ってなければそんなことは無かったことになる、というあれ。多分これに対抗してんのかどうなのか、この映画は口伝口承、片目の人のモノローグで進む。言葉イコール映像歴史、覚えてる人がいればその人が生きた証拠は残る。だから片目の人が退場してから描かれる戦争は全部片目の彼の想像だし、最初から彼の記憶の補正がかかる。ジャスト・ライク・ユー・イマジンド。だから彼は喋る。喋ったほうが勝つ。残ったほうが勝つ。スパルタ視点で映画になったからスパルタ軍の勝ち。いや勝ち負け無いんだけど。クセルクセスそんな悪い奴なのかって思うし。ゴヤっぽい人間ツリーだって人間壁とどっこいどっこい。俺は神だというクセルクセスと神なんか信じないというレオニダスのどっちが嘘っぽいかっていい勝負だがレオニダスでしょー。と俺は思う。酒に酔った慰み者の小娘の言葉など誰が信じるかってそりゃそうかもしれないけどそれは無いっしょー。しかしどんなに何が嘘っぽくても問答無用で見た目が筋肉が衣装が画面がどこ切ってもかっこいいのでこの映画は誰にも負けない。言葉よりも見た目。神託よりも髭だ。物語れる人が歴史を作る人なホメロスとかの時代、あー、片目の人をあえて途中で抜けさせたのは負傷したからじゃない。多分一番話が上手い人だったからだ。そんな感じだ。パロール映画だ。